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漏れない板金設計と特注製作の考え方
粉体や液体を扱う設備において、「漏れる」「詰まる」というトラブルは、現場の安定稼働を大きく損ないます。
特にホッパーやシュートは、構造上どうしても負荷がかかりやすく、形状設計の良し悪しがトラブル発生率を大きく左右します。
近年、こうした課題への有効な解決策として採用が増えているのが、角丸ホッパー・角丸シュートです。
本記事では、角丸形状が必要とされる理由から、漏れ・詰まりが起きる本当の原因、
そして渡辺工業がどのように「漏れない板金製品」を実現しているのかを詳しく解説します。
角丸ホッパー・角丸シュートとは
角丸ホッパー・角丸シュートとは、四角形と丸形状をつなぐ途中にR(丸み)を持たせたホッパー・シュートのことです。
設備設計では、
- 上流側:装置・架台・開口に合わせて「四角」
- 下流側:配管・ダクト・次工程に接続するため「丸」
という条件が重なるケースが多くあります。
この「角⇄丸」の形状変換を、単純な角張った構造で行うと、粉体や液体が角部に溜まり、漏れ・詰まり・固着の原因になります。
そこで、角部にRを設け、形状を連続させたものが角丸ホッパー・角丸シュートです。
「角と丸をつなぐ形状」はなぜ必要?
四角形は、構造物として非常に扱いやすい形状です。
フランジ固定、ボルト締結、架台との取り合いなど、機械的な安定性は四角が優れています。
一方で、粉体・粒体・液体の流れだけを考えると、角は明確な弱点になります。
- 角に溜まる
- 流れが乱れる
- 清掃しにくい
丸形状であれば、これらの問題は大幅に軽減されます。
角丸ホッパー・角丸シュートは、「構造」と「流れ」という相反する要求を両立するための形状なのです。
粉体・液体が漏れる・詰まる主な原因
ホッパーやシュートのトラブルは、加工精度の問題だけで起きているわけではありません。
多くの場合、設計段階での形状の考え方に原因があります。
角部での滞留
角が鋭いほど、粉体や液体は必ずそこに溜まります。これがブリッジや固着の起点になります。
継ぎ目・溶接部からの漏れ
板金構造では、展開形状と溶接位置が不適切だと、どんなに丁寧に溶接しても微細な隙間が残ります。
Rが不連続な内部形状
見た目は角丸でも、内部でRがつながっていないと、流れはそこで止まり、詰まりの原因になります。
板金が得意な加工屋でも敬遠される理由
― 最大の壁は「展開図」にある ―
角丸ホッパー・角丸シュートは、板金が得意な加工屋であっても断られることがある製品です。
その最大の理由が、展開図の難しさにあります。
展開図とは何か
板金製品は、完成形から直接作ることはできません。
一度、平らな一枚の板に戻した形=展開図を作り、そこから曲げ・溶接を行います。
箱物や円筒であれば、展開は定型化されています。
しかし角丸ホッパー・角丸シュートは、直線、曲線、R、テーパー、が同時に存在する複合形状です。
R部分は計算通りにいかない
角丸形状では、Rの内側と外側で板の伸び方が異なります。
さらにテーパーが加わることで、どこがどれだけ伸びるかが一律ではなくなります。
CAD上では合っている展開でも、 実際に曲げると合わない—— このズレが頻繁に起こります。
展開がズレると起きる問題
- 端部が合わず、無理な溶接になる
- Rが途切れ、内部に段差ができる
- 溶接歪みが増幅し、精度・気密性が崩れる
結果として、作り直し=大きな損失になります。このリスクの大きさこそが、加工屋が敬遠する本当の理由です。
漏れないための板金設計のポイント
角丸ホッパー・角丸シュートでは、 「作れるか」よりも「失敗しないか」が重要です。
Rは大きさよりも連続性
Rが途中で途切れないこと。これが流れを止めない最大のポイントです。
展開段階で溶接位置を決める
溶接線が流れ方向に直交すると、必ず溜まりが発生します。展開時点で溶接位置をコントロールする必要があります。
気密性を前提にした溶接設計
溶接は「付ける」だけでは意味がありません。漏れない構造として設計されているかが重要です。
薄板でも歪ませない構造
薄板は軽量で加工しやすい反面、歪みやすい。補強・構造を含めた設計が不可欠です。
渡辺工業の角丸ホッパー製作の特長
渡辺工業では、角丸製品を設計と製作を切り離さずに考える板金品として捉えています。
- 薄板(t0.5〜2.0mm)板金の豊富な実績
- TIG・ファイバー溶接による気密性の高い仕上げ
- 展開・曲げ・溶接を一体で考える製作体制
偏芯形状、変形形状、既存設備に合わせた特注品にも対応可能です。
図面がない段階からの相談も多く、「どう作るか」ではなく「どうすれば漏れないか」から考えるのが特長です。
対応用途・製作事例
- 食品製造ライン(粉体・粒体・液体)
- 医薬・化学設備
- 集塵・搬送設備
- 既存設備の改修・置き換え
一品物・少量特注が中心で、「以前うまくいかなかった形状」の相談も多く寄せられています。
角丸ホッパー・シュートの製作は
ご相談ください
角丸ホッパー・角丸シュートは、 形状・展開・溶接のどれか一つでも欠けると成立しない製品です。
漏れや詰まりでお困りの場合、 原因は運用ではなく「形状設計」にあるかもしれません。
渡辺工業では、構想段階から相談を受け、 漏れない・詰まらない板金製品を一品一品形にしています。
渡辺工業では、正式な製作図面がなくても、ポンチ図やラフ図など、形状の意図が分かる資料があれば、そこから製作用図面を起こして対応しています。
まずはお気軽にご相談ください。

茨城県筑西市井上1162-1