— 薄板板金×精密溶接で「他社が断る角丸ダクト」をカタチに —

角と丸の良さを併せ持った「角丸ダクト」は、空調設備や産業装置で採用が広がっています。流体抵抗の低減、清掃性の向上、意匠性の高さなどさまざまなメリットがある一方で、製作難易度が高く対応できる工場が少ないのが現状です。

渡辺工業は、薄板板金と精密溶接を得意とする製作メーカーとして、角丸ダクトの特注製作・一品物対応・図面レス相談を強みに、多くの設備メーカーさまからご依頼をいただいてきました。


Contents

角丸ダクトとは?

角丸ダクト(かどまるダクト)とは、四角形ダクトの角部分に丸み(R形状)を持たせた通風・集塵用のダクトです。
四角形(角ダクト)と丸ダクトの中間的な形状で、角がなく、滑らかな曲面によって風の流れがスムーズになるのが特徴です。

角丸ダクトの特徴は四角と丸の強みを併せ持つ「ハイブリッド形状」

角ダクトの「設置しやすさ・スペース効率」と、丸ダクトの「流体抵抗が少ない」という利点を組み合わせた、機能性の高いダクト形状です。

角丸ダクトは食品設備・産業装置・空調設備など幅広い分野で採用が増えています。

四角ダクトの特徴

  • 設置しやすい
  • 機器へ取り付けしやすい
  • 空間に合わせやすい

丸ダクトの特徴

  • 風が流れやすい
  • 異物が溜まりにくい
  • 洗浄性が高い

「角丸ダクト」が採用される理由

流体抵抗を低減し、エネルギー効率が向上

四角形ダクトは角部で乱流が起きやすく、空調効率が落ちることがあります。角丸ダクトはR形状によって流れがスムーズになるため、風量ロスが控えめで、送風効率を改善できます。

異物の堆積が少ない

角部がないため、粉塵・食品片・油分などの付着が少なく、清掃性に優れています。食品設備やクリーン環境でも採用が増えています。

意匠性が高く、装置内部でも外観を損ねない

柔らかいR形状は機械装置の内部・外装に馴染みやすく、デザイン性も評価されています。


しかし、どこでも作れるわけではない

“角と丸”が混在する形状は、通常の板金ダクトよりも加工精度・溶接技術が求められます。
そのため、角丸ダクトの製作を断る工場も多いのが実態です。


角丸ダクトの製作が難しい理由とは?

角丸ダクトが難しいと言われる理由は、主に次の5点です。

① R加工(曲げ加工)が高度で精度が要求される

角部に均一な曲率を持たせるには、ロール曲げやプレス曲げ、場合によっては専用治具が欠かせません。
Rの大きさが変わると寸法が合わず、接合部に歪みが生じることがあります。

② 展開図作成が難しく、熟練ノウハウが必要

直線と曲線が混在するため、平板展開の際に伸び・縮みを正確に予測しなければなりません。
NC展開だけでは完結せず、現場経験に基づく微調整が必須です。

③ 溶接歪みが出やすい

薄板(t0.5〜t1.2mm)を使用する場合、溶接熱でR形状が崩れやすく、外観・寸法の安定が難しくなります。
TIG溶接や半自動溶接を適切に使い分け、歪み取りまで一貫できる技術が求められます。

④ 工数が多く、設備の制約も大きい

曲げ → 仮組み → 溶接 → 仕上げ … と工程が増えるうえ、大型サイズになると治具・作業スペースも必要になります。

⑤ 対応可能な工場が少ない

角丸ダクトの需要は増えていますが、下記のような理由で、製作できる工場は限られています

  • R曲げが苦手
  • 薄板溶接が不得手
  • 大型の角丸対応設備がない

渡辺工業の「角丸ダクト」が選ばれる理由

渡辺工業では、長年にわたって薄板板金・溶接技術を磨き、空調・集塵・産業機械向けの角丸ダクトを多数製作してまいりました。
当社が選ばれる代表的な理由をご紹介します。

① 薄板(t0.5〜t2.0mm)の曲げ・R加工に強い

ロール・プレス・ベンダーを使い分け、部品ごとに最適な成形方法を選択。
大型R・小Rどちらも精度高く加工できるため、形状の連続性や外観品質の高さをご評価いただいています。

② TIG・ファイバーレーザ溶接を中心に歪みの少ない溶接技術

薄板ダクトの溶接で最も難しいのが「歪み(変形)」。
渡辺工業では、TIG・半自動の適材適所の使い分けにより、歪みが少なく、見た目も美しい角丸ダクトを製作できます。

  • 点付け → 分割溶接 → 歪み取り → 仕上げ、の独自工程
  • 熱歪みを抑える溶接順序

③ 構造設計・展開のノウハウが豊富

「図面がなくても作れますか?」というご相談をいただくことも多く、当社では 簡易スケッチ・現物からの採寸でも対応しています。

  • 一本物構造
  • 分割構造(現場溶接/フランジ接合)
  • テーパー、偏平角丸、変形角丸

など、用途に応じた最適な設計をご提案します。

食品・医療・クリーン用途にも応える仕上げ

ビードカット、鏡面仕上げ、ヘアラインなどの仕上げも可能。
衛生管理が必要なラインにも対応できるため、食品装置メーカーさまからの依頼も多数あります。

⑤ 多品種小ロット・一品物に強い製作体制

角丸ダクトは一般的に量産向きではありません。
渡辺工業では、一品物や小ロットこそ得意としており、1台からでも短納期対応できます。

さらに難しい偏芯角丸ダクトにも対応

偏芯角丸ダクトとは

偏芯角丸ダクトとは、角丸ダクトの中心軸が左右または上下のどちらかにずれた形状のダクトを指します。通常の角丸ダクトは左右・上下のRが均等ですが、偏芯タイプでは “角丸形状の中心が片側へ寄っている” のが特徴です。

渡辺工業なら偏芯角丸ダクトも対応可能

薄板板金+TIG溶接を得意とする渡辺工業では、
偏芯角丸・偏平角丸・変形角丸・イレギュラー形状にも柔軟に対応できます。

製作の難易度がさらに高い理由

偏芯角丸は、通常の角丸ダクト以上に 展開・溶接・歪み管理が難しい形状です。

  • Rの大きさが左右/上下で異なる
  • 展開時に伸び量の計算が複雑
  • 曲げ後の寸法のズレが出やすい
  • 偏った形状のため溶接歪みが発生しやすい

そのため、対応できる工場が限られている特殊板金品です。

対応可能な角丸ダクトの仕様・加工範囲

■ 対応材質

  • ステンレス(SUS304 / SUS316)
  • アルミ
  • スチール(鉄)
  • その他相談可

■ 板厚

0.5mm〜2.0mm
※薄板溶接が得意なため、軽量・精密なダクトに最適

■ サイズ

小型〜大型(数メートル規模)まで対応
長尺や大径の角丸ダクトも実績多数

■ 形状バリエーション

  • 角丸矩形
  • 偏平角丸
  • テーパー角丸
  • 片側R(片側だけ丸い形状)
  • エルボ、T字、異径
  • 装置内スペースに合わせた イレギュラー形状 も対応可

■ 表面仕上げ

  • TIGビードカット
  • ヘアライン
  • バフ研磨
  • つや消し
  • 塗装(鉄の場合)

製作事例

 事例1:食品ライン向け 角丸ステンレスダクト(SUS304)

  • サイズ:600×350(R50)
  • 板厚:1.0mm
  • 特徴:内面ビードレス仕上げ

事例2:空調用 大型角丸ダクト(長尺2.3m)

  • 材質:ステンレス

曲げと溶接の連続性を重視

事例3:産業装置内部の偏平角丸ダクト

  • 図面なし → 現物採寸から製作

スペース制約に合わせた独自形状

 角丸ダクト製作の流れ

お客様からのご依頼は、以下の流れでスムーズに対応します。

  1. 仕様ヒアリング(図面・写真・スケッチ)
  2. 概算見積
  3. 詳細打合せ / 展開図作成
  4. 製作(曲げ → 溶接 → 仕上げ)
  5. 検査・梱包・出荷

図面がなくても問題ありません。「こういう形状で作れますか?」という段階でも遠慮なくご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 1台だけでも製作できますか?

はい、1点から対応しています。

Q. 図面が無くても相談できますか?

→ 写真・スケッチ・現物測定から製作可能です。

Q. 納期はどれくらいですか?

→ 形状・数量によりますが、短納期対応にも柔軟に対応しています。希望納期をお伝えください。

Q. 大型サイズも対応できますか?

→ 数メートルクラスの角丸ダクトも多数実績があります。

角丸ダクトの特注製作は渡辺工業へ

角丸ダクトは「空調効率」「清掃性」「デザイン性」に優れた形状ですが、その複雑さから製作できるメーカーは多くありません。

渡辺工業は、“他社が断る角丸”もカタチにする技術を持っています。

  • 薄板板金の高度な曲げ・R加工
  • TIG・ファイバーレーザ溶接を中心とした美しい仕上げ
  • 一品物・カスタムメイドへの柔軟対応

空調設備・食品ライン・産業装置など、用途に合わせた最適な角丸ダクトをご提案いたします。
まずはお気軽に、図面・写真をお送りください。