ファイバーレーザ溶接

ファイバーレーザー溶接で
仕上がり綺麗なアルミ薄板溶接を実現

1. 薄板溶接の特性

薄板溶接の難しさ

薄板の溶接は、熱による変形や歪みが発生しやすく、特にアルミニウムのような熱伝導性の高い材料ではその傾向が顕著です。従来のTIG溶接などでは、全周溶接を行うと熱の影響で歪みや穴が開くことがあります。しかし、ファイバーレーザー溶接は、熱影響部が小さく、周囲の材料に与える熱の影響を最小限に抑えることができます。

ファイバーレーザー溶接の利点

• 高い溶接速度: ファイバーレーザーは高エネルギー密度を持ち、瞬時に深く溶け込むことができるため、薄板の溶接速度が速くなります。これにより、母材に加わる熱が短時間で済むため、歪みを抑えることができます。
• スパッタの発生が少ない: ファイバーレーザー溶接は、スパッタを抑えた状態で溶接が可能です。スパッタは溶接部の見た目を損なうだけでなく、接合部の強度を低下させる原因となりますが、ファイバーレーザーでは設定によりエネルギーをコントロールできるため、スパッタの発生を抑制できます。
• 高い仕上がり品質: 溶接ビードが細く、均一な仕上がりが得られるため、外観品質が向上します。特に薄板の溶接では、仕上がりの美しさが求められるため、ファイバーレーザー溶接は非常に適しています。

2. アルミ溶接の特性

アルミニウムの溶接の難しさ

アルミニウムは、熱伝導性が高く、酸化膜が形成されやすい材料です。この酸化膜は、溶接時に接合部の品質に悪影響を及ぼすことがあります。また、アルミニウムは高反射性を持つため、従来の溶接方法ではエネルギーが反射され、溶接が難しくなることがあります。

ファイバーレーザー溶接の利点

• 高反射材への適応性: ファイバーレーザーは、波長が短く、アルミニウムの吸収率が高いため、高反射性の材料でも効果的に溶接できます。これにより、アルミニウムの薄板でも深く溶け込むことが可能です。
• 歪みの抑制: アルミニウムの薄板をファイバーレーザーで溶接することで、熱影響を最小限に抑え、歪みを防ぐことができます。これにより、精密な部品の製造が可能となります。
• 高い強度の確保: ファイバーレーザー溶接は、溶接ビードが細くても深い溶け込みが得られるため、十分な強度を確保できます。これにより、アルミニウムの溶接においても高い強度を持つ接合が実現します。

溶接加工なら渡辺工業へ

ファイバーレーザー溶接は、薄板の溶接において特に優れた技術であり、アルミニウムのような難しい材料にも対応可能です。高い溶接速度、少ない熱影響、優れた仕上がり品質など、多くの利点を持つこの技術は、今後もさまざまな産業での応用が期待されます。

渡辺工業ではこのような最新機器と職人の技を掛け合わせた高品質な溶接が可能です。