ルーバー加工:通気口による放熱対策に活躍

渡辺工業では薄板の板金加工だけでなく、ルーバー加工などの通気口を作るための追加工にも対応しています。

タレットパンチの金型も豊富に保有しており、ご要望に合わせた形状でのルーバー加工を実現します。

通気口ルーバー加工

ルーバー加工とは

電子機器の筐体や建築用外装パネルでは、製品の機能性と耐久性を向上させるために、通気性と放熱性の確保が不可欠です。精密な電子機器においては内部の熱を効率的に排出し、建築分野では快適な居住環境を維持するための換気性能が重要な要素となっています。これらの技術的課題を解決する通気口加工手法として、近年特に注目を集めているのが「ルーバー加工」です。

ルーバー加工は板金加工の一種で、金属板に切り込みを入れて一部を立ち上げることで通気性を確保する加工方法です。この手法は優れた機能性に加えて高いデザイン性も実現できるため、多様な産業分野で採用が拡大しています。

ルーバー加工品サンプル

ルーバー加工の基本原理と特徴

ルーバー加工では、金属板に複数の細長い切り込みを施し、その一部を規則的に立ち上げることで空気の流路を形成します。この構造により通気性と放熱性が大幅に向上するとともに、立ち上げた部分が雨水やホコリの侵入を効果的に防ぐバリア機能を発揮します。さらに、母材と一体で加工されるため、製品全体の強度を損なうことなく高い剛性を維持できる点も大きな特徴です。

通気口加工手法の比較検討

筐体や外装パネルの通気口を製作する主要な加工手法を以下に比較します。

1. ルーバー加工

金属板に切り込みを入れ、一部を斜めに立ち上げて通気性を確保する手法です。

特徴:雨水やホコリの侵入を防ぎながら効率的な換気が可能、優れた放熱性、製品強度への影響が最小限

主な用途:電子機器筐体、空調機器パネル、車両用パネル

2. パンチング加工

パンチングマシンを使用して、規則的な穴パターンを形成する手法です。

特徴:均一で美しい穴パターンの実現、大量生産への適性、多様な穴形状への対応(円形、角型、楕円形など)

主な用途:スピーカーグリル、空調機器パネル、電子機器通気口

3. スリット加工

細長いスリット状の切り込みにより空気流を形成する手法です。

特徴:シンプルでシャープな外観デザイン、比較的簡易な加工で低コストを実現、強度維持に優れる

主な用途:精密機器筐体、放熱用カバー

4. エキスパンドメタル

金属板に切り込みを入れて引き伸ばし、網状構造を形成する手法です。

特徴:極めて高い通気性、軽量かつ高強度、独特な外観による意匠性

主な用途:建築外装パネル、各種フィルター用途

5. メッシュ取付け

金属または樹脂製メッシュ材を開口部に組み込んで通気性を確保する手法です。

特徴:優れた防塵性能と防虫効果、美観の向上、優れた交換・メンテナンス性

主な用途:コンピューターケース、電子機器通気口・フィルター用途

筐体や外装パネルの加工なら渡辺工業

ルーバー加工は、機能性と意匠性を高次元で両立させた優れた通気口加工技術として、幅広い産業分野での活用が期待されています。特に、防水性と通気性を同時に求められる用途においては、その独特な構造的特徴により他の加工手法では実現困難な性能を発揮します。お気軽にご相談ください。